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労務トラブルQ&A~5分単位の労働時間集計は違法?~

Q.弊社では、5分未満を切り捨てて1日の労働時間を集計しています。大手企業が残業代の是正勧告を受けたニュースを見ましたが、弊社対応は問題ないのでしょうか?

A.労働時間の集計は原則1分単位です。なお、1か月の時間外労働時間数の合計に1時間未満の端数がある場合、30分未満の端数を切り捨て、30分以上を1時間に切り上げることは認められています。

・労働時間の計算方法

労働時間の集計は原則1分単位で行う必要があります。労働時間を切り捨てると賃金の未払いが発生し、労働基準法第24条の「賃金の全額払いの原則」に違反します。(労働基準法24条に違反した場合には「30万円以下の罰金」という刑事罰も設けられています。)

なお例外的に、1か月における時間外労働、休日労働および深夜業の各々の時間数の合計に1時間未満の端数がある場合に、30分未満の端数を切り捨て、それ以上を1時間に切り上げることは認められています。

例:1か月の残業時間が20時間42分→残業時間21時間に切り上げ
1か月の残業時間が15時間17分→残業時間15時間に切り下げ

・是正勧告を受けた事例

最近では大手回転ずしチェーンの運営会社に対し、5分未満の端数を切り捨てて労働時間を計算していたため未払い賃金が生じているとして、労働基準監督署が是正勧告を行った旨が報道されました。(なお、運営会社は22年9月から労働時間を1分単位で計算する運用に改めていたようですが、本件では22年8月以前で賃金請求権の時効(3年)にかからない期間の未払い分について是正するよう勧告があったようです。)

日本経済新聞「スシローに労基署が是正勧告 5分未満の賃金未払いで」

 

・労働時間を切り捨てて集計している企業の初動対応

現時点で労働時間を切り捨てて計算している企業の場合、まずしなければならないことは正確な労働時間と未払い残業代を把握することです。タイムカードやクラウドの勤怠システム等を利用して集計している企業の場合は設定を変更することで計算が可能と思いますが、手書きの出勤簿等を使用している場合は、実際の労働時間の集計が困難なため、クラウドの勤怠システム等の導入をおすすめします。

その上で、切り捨てて集計している場合と比べ、1分単位で集計した場合にいくらの未払い残業代が発生しているのかシミュレーションしてから対応を検討すると良いでしょう。

・まとめ

従来は労働時間を切り捨てて計算する企業も多かった印象ですが、最近は業種を問わず1分単位で計算を行う企業も増えてきています。

労働時間の集計方法の変更や勤怠システムの導入でお困りの企業様はお気軽にお問い合わせください。

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