【自社も対象?】高年齢者・障害者雇用状況報告書(ロクイチ報告)とは?|対象企業と記載の注意点を解説
法令により、事業主は毎年6月1日時点の高年齢者・障害者の雇用状況を、ハローワーク(一部地域では労働局)を通じて厚生労働大臣に報告することが義務付けられています。基準日にちなんで「ロクイチ報告」とも呼ばれ、提出期限は毎年7月15日です(7月15日が閉庁日にあたる年は翌開庁日)。
報告された内容は、高年齢者・障害者の雇用施策の検討に用いられるほか、ハローワーク等が企業へ助言・指導・調査を行う際の基本情報としても活用されます。本コラムでは、両報告書の対象企業と記載の注意点を要点に絞って解説します。
提出概要(早見表)
| 高年齢者雇用状況等報告書 | 障害者雇用状況報告書 | |
|---|---|---|
| 報告基準日 | 毎年6月1日時点の状況 | |
| 提出期限 | 毎年7月15日(閉庁日の場合は翌開庁日) | |
| 対象企業 | 原則として事業主全般 | 常用雇用労働者37.5人以上の企業(2026年7月1日以降) |
| 提出単位 | 事業所が複数あっても本社で一括提出 | 事業所ごとの状況を記載し、本社で一括提出 |
いずれも、対象となる高年齢者・障害者の雇用が0人であっても報告が必要です。対象企業には例年5月下旬~6月上旬にハローワークから報告書用紙が届きますが、提出は郵送・持参のほか、電子申請(e-Gov)でも行えます。
高年齢者雇用状況等報告書のポイント
1. 主な報告内容
定年制や継続雇用制度の状況、創業支援等措置(業務委託契約や社会貢献事業により70歳までの就業機会を確保する措置)の実施状況、65歳を超えて働ける制度の状況、常用労働者数、過去1年間の離職者・定年到達者等の状況などを報告します。2025年4月1日から65歳までの雇用確保が完全義務化(定年制の廃止、65歳までの定年引上げ、または希望者全員を対象とする65歳までの継続雇用制度の導入)されており、報告書は自社の高年齢者雇用の体制を点検する機会にもなります。
2. 様式・エラーチェックツールは毎年最新版を使用する
法改正に伴い、報告書の様式は変更されることがあります。実際に、継続雇用制度の対象者を限定できる経過措置の終了(2025年3月31日)に伴い、様式から経過措置に関する項目が削除され、欄番号も繰り上がりました。昨年の控えをそのまま転記せず、必ずその年の最新様式と、適宜、厚生労働省サイトで配布されている最新の「エラーチェックツール(Excel)」を使用してください。
3. 職種等によって制度内容が異なる場合
職種や雇用形態によって定年制度・継続雇用制度の内容が異なる場合は、定年制・継続雇用制度の欄には定年年齢が最も低い職種の状況を、過去1年間の適用状況の欄にはすべての職種の状況を記入します。複数の職種を集計するための補助欄が厚生労働省の記入要領に用意されています。
障害者雇用状況報告書のポイント
1. 法定雇用率と対象企業
民間企業の障害者法定雇用率は段階的に引き上げられており、2026年7月1日からは2.7%、雇用義務・報告義務の対象は常用雇用労働者数37.5人以上の企業です。報告書は、基準日(6月1日)時点で適用されている法定雇用率に基づいて作成しますので、その年の適用率を必ず確認してください。(2026年6月1日現在の障害者雇用状況報告は、法定雇用率2.5%、法定雇用障害者数の算定の基礎となる労働者数40.0人以上の事業主が対象です。)
2. 労働者・障害者のカウント方法に注意
短時間労働者(週20時間以上30時間未満)は、報告書の欄によって「1人」と数える欄と「0.5人」と数える欄があります。また、障害者の人数は、障害種別・程度・週の所定労働時間によって算定方法(2・1・0.5カウント)が異なります。出向労働者や海外勤務労働者など、常用雇用労働者数に含めるかどうか判断に迷いやすいケースもありますので、詳細は厚生労働省の記入要領・手引きでご確認ください。
提出を怠った場合はどうなる?
高年齢者雇用状況等報告書には未提出に対する罰則の定めはありませんが、法令上の報告義務があります。一方、障害者雇用状況報告書は、報告を怠ったり虚偽の報告をした場合、30万円以下の罰金が科される可能性があります。期限を過ぎてしまった場合も放置せず、速やかに管轄のハローワークへ提出してください。
すべての事業所の状況確認と取りまとめには時間がかかります。様式のダウンロード、記入要領、電子申請の方法など、詳細は厚生労働省の案内ページを確認のうえ、余裕を持って準備を進めましょう。
参考|厚生労働省「高年齢者・障害者雇用状況等報告の提出について」
よくあるご質問(FAQ)
Q1. 高年齢者や障害者を1人も雇用していない場合、報告は不要ですか?
A. 対象企業に該当する場合は、雇用が0人であっても報告が必要です。
Q2. 支社・支店がある場合、事業所ごとに提出するのですか?
A. いずれの報告書も本社で一括して提出します。高年齢者雇用状況等報告書は本社でまとめて作成し、障害者雇用状況報告書は事業所ごとの状況を記載したうえで本社が一括提出します。
Q3. 昨年の報告書の控えを見ながら作成してもよいですか?
A. 参考にすること自体は問題ありませんが、様式は法改正に伴い変更されることがあります。必ずその年の最新様式・最新のエラーチェックツールを使用してください。
Q4. 障害者雇用状況報告書は、どの時点の法定雇用率で計算しますか?
A. 報告基準日である6月1日時点で適用されている法定雇用率で計算します。法定雇用率は段階的に引き上げられているため、報告年度の適用率と対象企業の範囲を厚生労働省の案内で確認してください。
Q5. 提出期限に間に合わなかった場合はどうすればよいですか?
A. 速やかに管轄のハローワークへ提出してください。特に障害者雇用状況報告書は、未報告・虚偽報告に対して30万円以下の罰金が定められています。
ご不明な点がございましたらお気軽にご連絡ください。
※本コラムの内容は執筆時点の法令・公表情報に基づいています。その後の法改正等により取り扱いが変更される場合がありますので、最新の情報は厚生労働省等の公式サイトでご確認ください。
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