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労務トラブルQ&A~懲戒処分ができなくなる?就業規則の「周知」とは?~

Q.弊社のある従業員が、得意先とトラブルを起こしたり、上司にも暴言を吐くなど職場の秩序を乱しています。目に余るものがあったので、就業規則の懲戒規定に従って懲戒処分を行なう旨を本人に伝えたところ、「就業規則は見たこともないし、どこに保管されているのかも知らない。そんなものは無効だ!」と主張してきました。当該従業員の主張の通り、懲戒処分はできないのでしょうか?

A.もしも当該従業員の主張の通り、就業規則が周知されていない状態であったなら懲戒処分は無効となる可能性が高いです。就業規則の周知の状況について、一度確認する必要があります。

・就業規則の有効性に関する判例

懲戒処分と就業規則の有効性の判断基準を示した判例として、フジ興産事件(最高裁H15.10.10)があります。最高裁の判決によると、「使用者が労働者を懲戒するには,あらかじめ就業規則において懲戒の種別及び事由を定めておくことを要する」としたうえで、「就業規則が法的規範としての性質を有するものとして,拘束力を生ずるためには,その内容を適用を受ける事業場の労働者に周知させる手続が採られていることを要する」としています。

つまり、「就業規則に懲戒規定が定められていない場合」や「就業規則が周知されていない場合」は、企業は懲戒処分ができないということになります。

・就業規則が周知されている状態とは?

就業規則が周知されている状態とは、「従業員が就業規則の内容を確認したいときに、いつでも確認することができる状態」のことを指します。そのため、就業規則が鍵付きの棚に保管されているケースや就業規則の保管場所を従業員に伝えていないケース、支店や支社では就業規則が見れないケースなどは就業規則が無効となるリスクがあるため要注意です。

なお、就業規則の周知方法は労基法上、以下のいずれかの方法によるものとされています。

①常時各作業場の見やすい場所へ掲示し、または備え付ける

②コピーを労働者に交付する

③電子媒体に記録し、常時パソコンのモニター等で確認できる状態にする

・企業の実務対応と注意点

就業規則が周知されていることを確実にするためにおすすめな方法は、雇用契約書(または労働条件通知書)に就業規則の保管場所を明記する方法です。(現在、厚生労働省が公表している労働条件通知書のひな形にも就業規則の保管場所の記載があります。)

また、就業規則を保管する際は、鍵のついていない棚など見やすい場所へ保管し、ファイルの背表紙に「就業規則」など記載しておくと良いでしょう。

なお、「従業員が就業規則を見て、権利行使をされるかもしれない」、「就業規則が実態に合っていない」などの理由で、就業規則を従業員に周知していない企業も時折見受けられます。仮に、従業員から就業規則の閲覧希望があった際に、閲覧を拒否すると就業規則の周知がされているとは言えず、労働基準法違反となりますので注意が必要です。

・まとめ

就業規則の作成、監督署への提出義務があるのは従業員数10名以上の事業場ですが、従業員数が10名未満の企業が就業規則を作成するケースも増えたように感じます。就業規則は職場のルールですので、「作って終わり」ではなく、就業規則は定期的にメンテナンスして、従業員全体へ周知を行いましょう。

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