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労務トラブルQ&A~出張の移動時間は労働時間?~

Q.出張した社員より「移動時間は労働時間ではないですか?」との問い合わせがありました。 出張時の移動時間は労働時間になるのでしょうか?

A.出張の際の移動時間は、原則「労働時間」になりません。ただし、例外もありますので実態に即して判断しましょう。

そもそも労働時間とは?

「労働時間」とは、判例で、「労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間」と定義されています。また、労働時間に当たるかどうかは、労働者と会社の取り決めによらず、客観的に判断されます。

例として、来客対応のために待機している時間(いわゆる「手待ち時間」)や参加が必須のミーティング、研修などの時間は、労働義務から解放されているとは言えず、「労働時間」とされる可能性が高いです。

出張時の移動時間の取り扱いは?

たしかに出張の場合の移動時間については、休日に移動が必要であったり、早朝に出発する必要があるなど拘束される時間が長いため、「労働時間ではないか?」という疑問が出るのも致し方ないように思います。しかし、例えば移動中に自由に本を読めたり、スマートフォンで動画を見ることができるなど、前述した労働義務から解放されているなら、「労働時間」には当たりません。(「通勤時間」が労働時間にならないことと同様に考えることもできます。)

ただし、移動中に納品する物品の監視が必要であったり、パソコンを使用して業務を行う場合は労働義務から解放されているとは言えず、「労働時間」に該当する可能性もありますので、注意が必要です。

出張に対する企業対応は?

出張の移動時間は原則労働時間にならないと述べましたが、長距離の出張は従業員の方の負担も大きくなりますので、日当など別の手当の支給も検討されると良いと思います。また、業種業態によって出張の内容もさまざまですので、労働時間該当性の判断は実際のところケースバイケースとなります。

昨今は、テレワーク時の移動や直行直帰、通勤時間など「労働時間」の判断が必要な場面が増えてきている印象です。従来からの取り扱いを安易に踏襲せず、実態に即した判断をするようご注意ください。

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